2011-01-01から1年間の記事一覧
Elements of Nothing / ほか6作品 牧野貴 Takashi Makino 映像作家。1978年東京生まれ。2001年、日本大学芸術学部映画学科撮影コース卒。同大在学中より多数の8ミリ映画を制作。2001年、単身ロンドンに渡り、ブラザーズ・クエイのアトリエで音楽と照明について…
木もれ陽プロジェクト 星の回廊KOMOREBI Project:Star corridor星型の光が通った木洩れ日は、星型に光る。その星型の光を、網や、自分の手のひらにあつめるというロマンチックなプロジェクト。3mのクレーンから照らされる星型のスポットライトが、藤棚を抜…
PalletPallet納屋橋会場のエントランス。輸送用の木材パレットが積まれている。鑑賞をしていくと使用に適した物でないことが分かる。釘や、接着剤を使用した形跡は見付けられない、積み木という感覚。意図的に彩色された木材を見ていた時、通りかかった女の…
いかに考えないか?How not to think?スクリーンに男女のシルエットが浮かび上がる。スクリーンと客席との間にインターフェースが設置されており、鑑賞者の任意で『指示』を入力することができる。『指示』は、シルエットの男女が各々のフィルターを濾過した…
一時清醒Occasional Awakening現代中国の美術界で「死体派」と呼ばれ、身体をモノ・単なる塊として扱い、時に過激な表現で社会に衝撃を与える彼ら。今回の作品は黒い植物の根のようなものに覆われたような古窓から、次々と本が投げ出されるインスタレーショ…
主義之外Beyond-ism水墨画でしっとりした雰囲気でありながら、モチーフがどこかコミカルで、見ていてとても楽しかった。壁一面を使って描かれた作品がダイナミックでステキだった。アニメーション作品は、水墨画アニメというのがレトロ中国っぽくもあり、け…
あの彼らの出会い / ルーヴル美術館訪問 / アルテミスの膝/ ヨーロッパ2005年、10月27日 / ジャン・ブリカールの道程These Encounters of Theirs / A bisit to the Louvre/ The Knee of Artemide / Europa 2005 - October 27/ Itinerary of Jean Bricard登場…
Chandelierゲイ。南アフリカ出身の白人。ユダヤ人。マイノリティの問題に鈍感な一般的日本人である自分が何をどう思うか、注意深く点検しながら観た。でもコーヘンはそんな懸念も含め多くのことを超越していく越境者だった。そしてとてもとてもスイートだっ…
Lying-down-on-the-ground: additional notesLying-down-on-the-ground: additional notesソニア・クーラナと一緒に芸術文化センターのあちこちの床に横たわってみた。横たわった直後から、見ているだけでは分からなかった多くのことが強くこみ上げてきた。社…
ガイドブックには絶対に載らないけどこれぞ典型的な現代日本の郊外(画一的でチープ感いっぱい)、という風景から特徴的なモチーフを抽象的形状として強調していて、この見慣れたキッチュな景色に様式美さえあるように思えてきた。以前から注目していて、こ…
ChannelChannel広い吹き抜けの上方からにゅうっと飛び出す巨大な緑色のバルーン状のもの(ヘチマよばわりしてました)が、普段はお役所っぽい建物を祝祭の場に一変させていた。空間が内側と外側とに隔てられて大きく変容することで、その空間に対する想像力…
無題Untitledあるのは引越し後にあるもぬけの殻となったような空間だ。しかし何かがおかしい。古いたんすや戸棚にはいくつかの置物が残っていて、表面が削れてつるつるなのだ。荒々しい鷲や熊の置物が愛らしく弱々しく様変わりしている。表装で形作られる印…
きみは魚をさばけるか? 漁村美術の現在Can you clean a fish? Present of the fishing village-Art「漁村美術」という一言にもう、やられました。つきつめたり、繰り返したり、確固たる意識で制作されたものを崇め観賞することだけが美術ではなく、自分の生…
Works for TAMAYA 4-KAI正に燻し銀。室内に壁一面を覆うものは、しかしそのような高尚なもので作られてはいない。よく見れば『LOTTE』の文字が記されており、ガムの包み紙でできていることがわかる。日用品を作品として昇華させるというコンセプトの裏には、…
皮膚と地図−4名のアーティストによる身体と知覚への試みSkin & Map: the study of body and sense by four artists展示スペース一室に4名の作家の作品が点在する。それぞれ造形物だったり、立体的なコラージュだったり、写真作品だったりする。目を引いたの…
伏見のための接点Point of Contact for Fushimi地下空間でバチバチと小さな火花が飛ぶ。金属製の龍の置物の周りを、細い鉄の棒を機械仕掛けで動かして、接触するところでショートさせて火花を発生させている。そのこじんまりとした作品には可愛らしさもあり…
NO, Global TourNO, Global Tour展示会場から解放された自由な作品。そのメッセージは『NO』だ。トラックに強固に縛り付けられて市中を引廻される巨大な『否定』。何に対しての否定なのかを問いたいという観方であれば結構だが、否定のメッセージそのものに…
spectra[nagoya]spectra[nagoya]現場の名古屋城から、その周囲のあちこちから、一人で、あるいはたくさんの人と一緒に、2日間ほんとうによく空を見上げた。終わり間際の早朝、明けていく空のグラデーションがスペクトラに迫り、吸い込んでいくのも見送った。…
ROSAS danst ROSASまさか名古屋で観られるなんて、と当初からずっと楽しみに待っていた。映像でしか知らなかったこの作品、熱く緊密で揺るぎなく、ものすごい強度をもっていた。終盤に向かうにつれそれがさらに加速しつつダンサーが解放されていく感じ。あの…
食べ物を与える人(山雀) ほかFeeders (Varied Tit / Yama-gara)チープで安易なビデオ作品であった気がしたが、だらだらと長い説明をするより、端的に短いワードやイメージで伝える方が良い場合もある。この作品のために作られた、フリーペーパーのようなも…
精神(こころ)の声Spiritual Voices アレクサンドル・ソクーロフ Alexander N.Sokurov 映画監督。1951年、シベリアのイルクーツク生まれ。サンクトペテルブルク(ロシア)在住。1974年、ゴーリキー大学で歴史学の学位取得後、モスクワの全ソ国立映画大学の…
ハッピー・スカイ・ドリームHappy Sky Dreamオープニング時、作品を見るより前にATカフェでピップ&ポップの二人に遭遇した。いわゆる森ガールのような雰囲気で日本人の女の子たちの中に普通に紛れていた。作品はというと、お菓子の国であり、サンリオであり…
長者町壁画プロジェクトChoja-Machi Mural Project開幕前、酷暑の中で足場を組みずっと作業している姿を見て大丈夫?と心配になった。一見グラフィティのようでいて瞬間風速的に描かれるそれとは違い、緻密な構成と作業によるもの。長者町にしてはエッジが立…
ポン吉 旅日記PONKITI TRAVEL DIARY晴天の長者町に現れた『ポン吉』の前には長蛇の列ができた。ガラクタと形容しても差支えがない『ポン吉』は、トラックの荷台に乗って堂堂とした態度でこちらを見下ろす。これはアートというくくりで観てとるべきものなのだ…
アンドロイド演劇『さようなら』Android Human Theater "Sayonara" (good-bye)「僕、もう行かなきゃならない」という冒頭のセリフを聞いた瞬間、すぐに死を予感させる内容とわかった。感情が邪魔をして、人間では絶対に真似できない「無の空虚さ」を表現する…
ライブ・パフォーマンスLive Performance暗闇のモリリンビルに光る電飾の装置は、懐古的なオープンリールデッキだ。演奏者の四人が、演奏をして録音して演奏をしている。演奏というよりは、巧みな機械操作がその本質として見受けられる。機械の不具合か操作…
シニア・センター・ステージSeniors Center Stageスクリーンに映った日本を含め3カ所のお年寄りたち。弱い立場の人を材料として見るようで最初は居心地が悪かったが、映像という枠組みが与えられることで、センターステージ(舞台の中央、脚光を浴びる場所)…
人と人とが出合う場所(名古屋)Where a Man Meets Man in Nagoyaそれを特定できる要素と匿名性とを併せ持つ『名前』に着目した作品が彼の大きな特徴。じりじりと燃えて灰になる様は、本当に人の出会いと別れを象徴しているように感じる。世界各国でシリーズ…
ribbon夜のみの展示ながら、美術館に行かなくても見ることができたので、とても親しみがわいた作品の一つ。ひさしに映るリボンがひらひらと舞う様は、繊維の街ならではのモチーフです。いつも街中がこんなふうに彩られたらいいのにと思いながら、いつも夜の…
THIS IS WEATHER NEWSこれまで「演劇」というとストーリー性のあるものしか観たことがなかったので、どう味わえばいいのか正直わからなかった。動きと言葉に関連性や意味を求めてしまうのは、頭で理解しようとしている証拠なのだろう。セリフがなければもう…