現代芸術

ジャン・ホァン Zhang Huan

ヒーロー No.2Hero No. 2「わぁー!なんだ、コイツ!?」展示室いっぱいに足を投げ出し座り込みを決め込む(?)巨大なHeroは、皮素材を針金で継はぎした痛々しいヤツ。彼の(?)足元に行き「ねえ、アンタちっともHeroらしくないんだけど?」と語りかけてい…

草間彌生 Yayoi Kusama

真夜中に咲く花 / 命の足跡 / 求道家の輝く宇宙Flowers That Bloom at Midnight / Footprints of Life / The Universe Shining in the Pursuit of Truth開幕時に草間さんが名古屋に来ていた。飛び交う目撃情報。「見たよ!」「えっ?拝みたい!」と色めき立…

楊福東(ヤン・フードン) Yang Fudong

離信之靄Dawn Mist, Separation Faith何台ものスクリーンにクリシェな白黒映画のシーンの断片が繰り返される。最後、一台一台と映像が消えていき、35mmフィルムとそれを取り巻くものへの強いノスタルジーを喚起されて終わった。フィルムを一緒に見送った、あ…

宮永愛子 Aiko Miyanaga

結−ゆい−yui (ties)とにかく繊細で、強度も時間的な耐久性も儚く、夢見るような空間。小学生の姪を連れて行ったときはうっかり触らないようほぼ羽交い締めにしつつ、二人で「きれいだねー」と嘆息しながら見たのも良き思い出。(by nnnnnao)刺激が強い社会…

曾建華(ツァン・キンワ) Tsang Kin Wah

第四の封印─〈彼〉に対しては何の狙いもない。そして〈彼〉は二度目の氏を欲する。The Fourth Seal - HE Is To No Purpose And HE Wants To Die For The Second床―足元に映し出された様々な英文が、現れては消えつつ動き回る部屋。「不規則に動くもの≒生命」…

蔡明亮(ツァイ・ミンリャン) Tsai Ming Liang

夢It's a Dream真っ赤な映画館のセットの中で、映画館の中で暮らす人達の映画を観る作品。アジア特有の熱っぽい映像がたまらなく好き。女性が林檎を食べるシーンのシャキって音や、串で歯のすき間を削る動作のリアル。ラストだんだん人が消えていく夢のよう…

トム・フリードマン Tom Friedman

無題Untitledアクリルケースに収められているのは排泄物だ。きわめてリアルな造形だ。壁に掲げらている人型にカラフルな円をちりばめた作品をまじまじと鑑賞する人がいる。その隣で同じ作家が作ったアクリルケースの中の作品をまじまじと覗き込む自らの行為…

西野達 Tatzu Nishi

転がる愛知Rolling Aichiどんな作品が見られるのかを、発表当時から一番楽しみにしていた作家さん。「転がる愛知」は親しみやすく、トリエンナーレ第一回目の愛知の人達に向けて「はじめまして」を象徴するような作品になりました。「豆腐仏陀」は残念ながら…

タチアナ・トゥルーヴェ Tatiana Trouve

From Here I DisaapearFrom Here I Disaapear不思議な部屋で微妙に揺れる物体。履けない靴。垂れた液体。廊下の向こうに人が見えるのに、向こうに行くと壁しかない。喧噪の中にあって静謐な空間だった。その場ではそれ以上のことは思わなかったが、今ではあ…

小金沢健人 Takehito Koganezawa

黒くぬれ、そして消せPaint it Black, and Eraseガラス板に絵の具のようなものを置き、後は延々それを手指でなぞるところを下側から撮った映像。単純ながらもその美しさとリズミカルな音にひかれ、ずいぶんと長い間観ていた。自分の心の中のつぶやきや、移り…

泉孝昭 Takaaki Izumi

PalletPallet納屋橋会場のエントランス。輸送用の木材パレットが積まれている。鑑賞をしていくと使用に適した物でないことが分かる。釘や、接着剤を使用した形跡は見付けられない、積み木という感覚。意図的に彩色された木材を見ていた時、通りかかった女の…

高嶺格 Tadasu Takamine

いかに考えないか?How not to think?スクリーンに男女のシルエットが浮かび上がる。スクリーンと客席との間にインターフェースが設置されており、鑑賞者の任意で『指示』を入力することができる。『指示』は、シルエットの男女が各々のフィルターを濾過した…

孫原+彭禹(スン・ユァン+ポン・ユゥ) Sun Yuan + Peng Yu

一時清醒Occasional Awakening現代中国の美術界で「死体派」と呼ばれ、身体をモノ・単なる塊として扱い、時に過激な表現で社会に衝撃を与える彼ら。今回の作品は黒い植物の根のようなものに覆われたような古窓から、次々と本が投げ出されるインスタレーショ…

ソニア・クーラナ Sonia Khurana

Lying-down-on-the-ground: additional notesLying-down-on-the-ground: additional notesソニア・クーラナと一緒に芸術文化センターのあちこちの床に横たわってみた。横たわった直後から、見ているだけでは分からなかった多くのことが強くこみ上げてきた。社…

松井紫朗 Shiro Matsui

ChannelChannel広い吹き抜けの上方からにゅうっと飛び出す巨大な緑色のバルーン状のもの(ヘチマよばわりしてました)が、普段はお役所っぽい建物を祝祭の場に一変させていた。空間が内側と外側とに隔てられて大きく変容することで、その空間に対する想像力…

島袋道浩 Shimabuku

きみは魚をさばけるか? 漁村美術の現在Can you clean a fish? Present of the fishing village-Art「漁村美術」という一言にもう、やられました。つきつめたり、繰り返したり、確固たる意識で制作されたものを崇め観賞することだけが美術ではなく、自分の生…

サンティアゴ・シエラ Santiago Sierra

NO, Global TourNO, Global Tour展示会場から解放された自由な作品。そのメッセージは『NO』だ。トラックに強固に縛り付けられて市中を引廻される巨大な『否定』。何に対しての否定なのかを問いたいという観方であれば結構だが、否定のメッセージそのものに…

池田亮司 Ryoji Ikeda

spectra[nagoya]spectra[nagoya]現場の名古屋城から、その周囲のあちこちから、一人で、あるいはたくさんの人と一緒に、2日間ほんとうによく空を見上げた。終わり間際の早朝、明けていく空のグラデーションがスペクトラに迫り、吸い込んでいくのも見送った。…

ラクウェル・オーメラ Raquel Ormella

食べ物を与える人(山雀) ほかFeeders (Varied Tit / Yama-gara)チープで安易なビデオ作品であった気がしたが、だらだらと長い説明をするより、端的に短いワードやイメージで伝える方が良い場合もある。この作品のために作られた、フリーペーパーのようなも…

ピップ&ポップ(ニコル・アンドリヤヴィチ、タニヤ・シュルツ) Pip & Pop

ハッピー・スカイ・ドリームHappy Sky Dreamオープニング時、作品を見るより前にATカフェでピップ&ポップの二人に遭遇した。いわゆる森ガールのような雰囲気で日本人の女の子たちの中に普通に紛れていた。作品はというと、お菓子の国であり、サンリオであり…

オリヴァー・ヘリング Oliver Herring

シニア・センター・ステージSeniors Center Stageスクリーンに映った日本を含め3カ所のお年寄りたち。弱い立場の人を材料として見るようで最初は居心地が悪かったが、映像という枠組みが与えられることで、センターステージ(舞台の中央、脚光を浴びる場所)…

オー・インファン Inhwan Oh

人と人とが出合う場所(名古屋)Where a Man Meets Man in Nagoyaそれを特定できる要素と匿名性とを併せ持つ『名前』に着目した作品が彼の大きな特徴。じりじりと燃えて灰になる様は、本当に人の出会いと別れを象徴しているように感じる。世界各国でシリーズ…

ナウィン・ラワンチャイクン Navin Rawanchaikul

パックンより 2008年8月10日/ ホン・ラブ・ゲーク / ゲーク/ マリオ・シスターズ / 長者町/ 長者町ゑびすパーティ with NAVIN/ パックンより 2011年1月22日 / 新生の地From Pak-kun, August 10,2008 / Hong Rub Khaek/ Khaek / Mario Sisters / Choja-Machi/…

ミケランジェロ・コンサーニ Michelangelo Consani

The One-Straw Revolutionこのトリエンナーレは美術として展示された作品でもパフォーミングアーツに通ずるものが多かった。この作品にその意図はないかもしれないが、そうした中で見たことと臨場感に富むインスタレーションにより、エネルギーと喜びに満ち…

メルヴェ・ベルクマン Merve Berkman

ミーナ、イスタンブールMina, Istanbul憂鬱な表情で窓の外に目を向ける彼女には何が見えているか。しかし、何が見えているかはさほど問題ではない。彼女の視点が定まっているかが否かが問題だ。彼女の表情を見て受け取るのは鑑賞者自身に内在する日常の気だ…

小泉明郎 Meiro Koizumi

その劇場は美しい午後の夢を見るA Theatre Dreams of a Beautiful Afternoon「感情の伝染」という言葉がぴったりなくらい、見る側の心を大きく揺さぶる作品をいつも見せてくれる。『オレは毎日毎日何をしてるんだろう』と叫ぶ男性と、『あなたは誰かを演じて…

ルシア・コッホ Lucia Koch

Wave空間の面に手を加えて変化させる。作家は長者町の中に静かに作品が広がって欲しいと一般の商店で傘などの販売もした(傘買いました)。浮世絵に着想を得たというグラデーションを使った布とスクリーンの展開はいつの間にか意識に定着し、夕暮れ時など誰…

志賀理江子 Lieko Shiga

いまださめぬHead Underwater壁に沿って並べられた大小様々な写真の数々。 「瞬間」を感じさせる強い光により、人も風景もその命までもが、 闇から浮かび上がるかのように、そこに現れていた。 見ていると画面から手が伸びてきて、その世界に引き込まれるか…

カーメン・ストヤノフ Kamen Stoyanov

芸術的料理ムサカCultural Moussaka「芸術的ムサカ料理」を堪能したものの、映像作品を見るチャンスがなかなかなくて、会期終盤でようやく見ることができました。大使館のシェフが招聘できないというトリエンナーレならではの大ハプニングを、見事に作品にし…

フアン・アラウホ Juan Araujo

Brazil Unbuilds / Cover/ Pag. 3 & 2 / Pag. 6 & 7/ Pag. 72 & 73 / Pag. 129 & 128/ Pag. 131 & 130Brazil Unbuilds / Cover/ Pag. 3 & 2 / Pag. 6 & 7/ Pag. 72 & 73 / Pag. 129 & 128/ Pag. 131 & 130ハンス・オプ・デ・ビーク待ちの行列の隣に何やら書…