愛知芸術文化センター

ジャン・ホァン Zhang Huan

ヒーロー No.2Hero No. 2「わぁー!なんだ、コイツ!?」展示室いっぱいに足を投げ出し座り込みを決め込む(?)巨大なHeroは、皮素材を針金で継はぎした痛々しいヤツ。彼の(?)足元に行き「ねえ、アンタちっともHeroらしくないんだけど?」と語りかけてい…

柴幸男 Yukio Shiba

あゆみAyumi1人の女性の人生を、複数の俳優が入れ替わりつつノンストップで演じる。そこに紡がれるのは誰もが覚えのあるような記憶たち・・・「いつか来た道」。「いのち」の境目はどこなのだろう?私達にはわからない。それを自覚しつつ、淡々と誰の内にも…

田中由紀子 Yukiko Tanaka

中川運河−忘れられた都市の風景−The Nakagawa Canal- the forgotten waterside scenery in the city主会場である名古屋市中心部の芸文センターからかつて栄えていた中川運河へ、見る者を時間的にも地理的にもいざなう展示。その核となっていたのは平川さんの…

草間彌生 Yayoi Kusama

真夜中に咲く花 / 命の足跡 / 求道家の輝く宇宙Flowers That Bloom at Midnight / Footprints of Life / The Universe Shining in the Pursuit of Truth開幕時に草間さんが名古屋に来ていた。飛び交う目撃情報。「見たよ!」「えっ?拝みたい!」と色めき立…

宮永愛子 Aiko Miyanaga

結−ゆい−yui (ties)とにかく繊細で、強度も時間的な耐久性も儚く、夢見るような空間。小学生の姪を連れて行ったときはうっかり触らないようほぼ羽交い締めにしつつ、二人で「きれいだねー」と嘆息しながら見たのも良き思い出。(by nnnnnao)刺激が強い社会…

西京人 Xijing Men

第二章 ここは西京−旅路は彼方の世界へCHAPTER 2: THIS IS XIJING "THE JOURNEY TO THE WORLD BEYOND WEST" 西京人は、小沢剛(日本)、チェン・シャオション(中国)、ギムホンソック(韓国)の3 名からなるアーティストユニット。個人として各地の国際展等…

曾建華(ツァン・キンワ) Tsang Kin Wah

第四の封印─〈彼〉に対しては何の狙いもない。そして〈彼〉は二度目の氏を欲する。The Fourth Seal - HE Is To No Purpose And HE Wants To Die For The Second床―足元に映し出された様々な英文が、現れては消えつつ動き回る部屋。「不規則に動くもの≒生命」…

蔡明亮(ツァイ・ミンリャン) Tsai Ming Liang

夢It's a Dream真っ赤な映画館のセットの中で、映画館の中で暮らす人達の映画を観る作品。アジア特有の熱っぽい映像がたまらなく好き。女性が林檎を食べるシーンのシャキって音や、串で歯のすき間を削る動作のリアル。ラストだんだん人が消えていく夢のよう…

ティム・エッチェルス Tim Etchells

Over the Table ティム・エッチェルス Tim Etchells エッチェルスはパフォーマンスを基軸にヴィジュアル・アートやフィクションに至るまで、その活動は多岐にわたる。異なるメディアや文脈を横断して活動することで、新たな可能性の扉を開き、様々な方法によ…

タチアナ・トゥルーヴェ Tatiana Trouve

From Here I DisaapearFrom Here I Disaapear不思議な部屋で微妙に揺れる物体。履けない靴。垂れた液体。廊下の向こうに人が見えるのに、向こうに行くと壁しかない。喧噪の中にあって静謐な空間だった。その場ではそれ以上のことは思わなかったが、今ではあ…

陳維錚(タン・ズイチン) Tan JuiChen

ケガレKegare国籍や人種などの異種性を感じさせないものだった。日本の葬儀・火葬の模様を撮った映像作品があったが、異文化圏であれば持ちえた視点であり、どこの誰が作ったというような突起した部分をみつけることができなかった。「華人」という表題を掲…

ニコラス・プロヴォスト Nicolas Provost

オー、ディアー / エキゾティコア / ダイバー / 誘発/ サスペンション / 引力 / プロット・ポイント / 新しい肉体万歳!/ ストーリーテラー / スターダスト / アブストラクト・アクションOh Dear / Exitucire / The Divers / Induction/ Suspension / Gravit…

牧野貴 Takashi Makino

Elements of Nothing / ほか6作品 牧野貴 Takashi Makino 映像作家。1978年東京生まれ。2001年、日本大学芸術学部映画学科撮影コース卒。同大在学中より多数の8ミリ映画を制作。2001年、単身ロンドンに渡り、ブラザーズ・クエイのアトリエで音楽と照明について…

孫遜(スン・シュン) Sun Xun

主義之外Beyond-ism水墨画でしっとりした雰囲気でありながら、モチーフがどこかコミカルで、見ていてとても楽しかった。壁一面を使って描かれた作品がダイナミックでステキだった。アニメーション作品は、水墨画アニメというのがレトロ中国っぽくもあり、け…

ストローブ=ユイレ(ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ) Straub/Huillet

あの彼らの出会い / ルーヴル美術館訪問 / アルテミスの膝/ ヨーロッパ2005年、10月27日 / ジャン・ブリカールの道程These Encounters of Theirs / A bisit to the Louvre/ The Knee of Artemide / Europa 2005 - October 27/ Itinerary of Jean Bricard登場…

スティーブン・コーヘン Steven Cohen

Chandelierゲイ。南アフリカ出身の白人。ユダヤ人。マイノリティの問題に鈍感な一般的日本人である自分が何をどう思うか、注意深く点検しながら観た。でもコーヘンはそんな懸念も含め多くのことを超越していく越境者だった。そしてとてもとてもスイートだっ…

ソニア・クーラナ Sonia Khurana

Lying-down-on-the-ground: additional notesLying-down-on-the-ground: additional notesソニア・クーラナと一緒に芸術文化センターのあちこちの床に横たわってみた。横たわった直後から、見ているだけでは分からなかった多くのことが強くこみ上げてきた。社…

松井紫朗 Shiro Matsui

ChannelChannel広い吹き抜けの上方からにゅうっと飛び出す巨大な緑色のバルーン状のもの(ヘチマよばわりしてました)が、普段はお役所っぽい建物を祝祭の場に一変させていた。空間が内側と外側とに隔てられて大きく変容することで、その空間に対する想像力…

島袋道浩 Shimabuku

きみは魚をさばけるか? 漁村美術の現在Can you clean a fish? Present of the fishing village-Art「漁村美術」という一言にもう、やられました。つきつめたり、繰り返したり、確固たる意識で制作されたものを崇め観賞することだけが美術ではなく、自分の生…

水田紗弥子 Sayako Mizuta

皮膚と地図−4名のアーティストによる身体と知覚への試みSkin & Map: the study of body and sense by four artists展示スペース一室に4名の作家の作品が点在する。それぞれ造形物だったり、立体的なコラージュだったり、写真作品だったりする。目を引いたの…

ローザス Rosas

ROSAS danst ROSASまさか名古屋で観られるなんて、と当初からずっと楽しみに待っていた。映像でしか知らなかったこの作品、熱く緊密で揺るぎなく、ものすごい強度をもっていた。終盤に向かうにつれそれがさらに加速しつつダンサーが解放されていく感じ。あの…

アレクサンドル・ソクーロフ Alexander N.Sokurov

精神(こころ)の声Spiritual Voices アレクサンドル・ソクーロフ Alexander N.Sokurov 映画監督。1951年、シベリアのイルクーツク生まれ。サンクトペテルブルク(ロシア)在住。1974年、ゴーリキー大学で歴史学の学位取得後、モスクワの全ソ国立映画大学の…

平田オリザ+石黒浩研究室(大阪大学) Oriza Hirata + Ishiguro Laboratory (Osaka University)

アンドロイド演劇『さようなら』Android Human Theater "Sayonara" (good-bye)「僕、もう行かなきゃならない」という冒頭のセリフを聞いた瞬間、すぐに死を予感させる内容とわかった。感情が邪魔をして、人間では絶対に真似できない「無の空虚さ」を表現する…

オリヴァー・ヘリング Oliver Herring

シニア・センター・ステージSeniors Center Stageスクリーンに映った日本を含め3カ所のお年寄りたち。弱い立場の人を材料として見るようで最初は居心地が悪かったが、映像という枠組みが与えられることで、センターステージ(舞台の中央、脚光を浴びる場所)…

ニブロール(矢内原美邦) Nibroll

THIS IS WEATHER NEWSこれまで「演劇」というとストーリー性のあるものしか観たことがなかったので、どう味わえばいいのか正直わからなかった。動きと言葉に関連性や意味を求めてしまうのは、頭で理解しようとしている証拠なのだろう。セリフがなければもう…

辻直之 Naoyuki Tsuji

エンゼル / 影の子供 / 夜の掟 / 闇を見つめる羽根The place, where we were / Children of the Shadows/ A Feather Stare at the Dark / The Rule of Freams登場人物とストーリー展開を見ているうちに、実は自分も象徴的に、いつか心の中で体験したことのよ…

ミケランジェロ・コンサーニ Michelangelo Consani

The One-Straw Revolutionこのトリエンナーレは美術として展示された作品でもパフォーミングアーツに通ずるものが多かった。この作品にその意図はないかもしれないが、そうした中で見たことと臨場感に富むインスタレーションにより、エネルギーと喜びに満ち…

まことクラヴ Makotocluv

長者町繊維街の日常Day-to-day Affairs of Choja-machi会場提供、作品の素材提供、パフォーマンス参加と全面協力した長者町の丹羽幸(株)さんが素敵すぎる。その魅力をフルに活用していわゆる「日常」や「普通」ということと、非日常的でクリエイティブとい…

リサ・マレイ・シュミット Lisa Marei Schmidt

Outside-InOutside-In リサ・マレイ・シュミット Lisa Marei Schmidt 企画タイトル:"Outside-In" キュレーター:リサ・マレイ・シュミット アーティスト:クラウディア・ジャバーリ、 ジェームズ・パーキン、セリア・ピム、セバスチャン・スタンフ、リチャ…

志賀理江子 Lieko Shiga

いまださめぬHead Underwater壁に沿って並べられた大小様々な写真の数々。 「瞬間」を感じさせる強い光により、人も風景もその命までもが、 闇から浮かび上がるかのように、そこに現れていた。 見ていると画面から手が伸びてきて、その世界に引き込まれるか…