平田オリザ+石黒浩研究室(大阪大学) Oriza Hirata + Ishiguro Laboratory (Osaka University)

  • アンドロイド演劇『さようなら』
    Android Human Theater "Sayonara" (good-bye)

    「僕、もう行かなきゃならない」という冒頭のセリフを聞いた瞬間、すぐに死を予感させる内容とわかった。感情が邪魔をして、人間では絶対に真似できない「無の空虚さ」を表現するのに、ロボットは最適なキャスティングだと思う。ゆえに人間のこころの素晴らしさを実感できた舞台であった。
    (by satomikamo)

    アンドロイドと役者の演劇。真っ暗な舞台に少しずつ2人の女性の顔が浮かび上がってくる。最前列だったが、どちらがアンドロイドでどちらが人間か、分かるまでに少し時間がかかるほどだった。そのことばかりが気になって肝心の舞台の内容は全然頭に入らなかった。いつかこれが当たり前になるのかと考えたらトキめいた。
    (by ukreina)

  • ロボット版『森の奥』
    Robot-Human Theater "In the Heart of a Forest"

    人とは。心とは。一体どのようなものだろう?
    人間の研究者らと共に、森の奥の研究施設で類人猿ボノボの生態を調査する
    2体のロボットたち。彼らを取り巻く人々の抱える、それぞれの思い、記憶、
    そして葛藤。
    心を持たないロボットの「感情」への切なる願いから、
    私たち「人間」そのものへの改めての疑問符が、浮き彫りにされ問い直される。
    (by ふう)

    ロボットが役者の1人という演劇。間合いも自然でロボット役にも共感したり、自分の中で「ロボットと人のボーダー」がうつろう感覚が新鮮で面白かった。こうしてロボットと人は近付くのかな。けれど、間合いは人為的なもので、うつろった後はむしろ強く違いを思い出す…。ボーダーがなくなったり色濃くなったり、頭がぐるぐるした。
    (by ukreina)

    トリエンナーレのオープニングを飾った話題の演劇作品。舞台は類人猿の研究をするアフリカにある研究所だ。日々のコミュニケーションの中で心的距離を縮めて行く、研究者とボノボとロボットたち。彼らの境界線は、曖昧さの中でそれぞれの存在理由を私たちに考えさせる。人間である条件とは何だろうか。
    (by 亀田恵子)

    類人猿ボノボを研究する、ある研究室が舞台。人間とロボットが対等に働いているという設定の中で、〈ヒト〉という種だけが持つやりきれなさやエゴイズムが浮かびあがるようでした。
    ロボットは、人間の感情の波立ちを受け止め、フラットな口調で受け答えをします。近い将来、ロボットに人間のココロのモヤモヤも解消してもらうようになるかも…という気持ちにさせられました。
    (by 更紗)

平田オリザ石黒浩研究室(大阪大学
Oriza Hirata + Ishiguro Laboratory (Osaka University)
平田オリザ:1962年生まれ。劇作家、演出家、劇団「青年団」主宰、大阪大学教授、内閣官房参与。1990年代に「現代口語演劇理論」を提唱し、以降多くの演劇人に影響を与える。2000年代はフランスを筆頭にヨーロッパ・アジア各国に活動の場を広げている。
石黒浩:1963年生まれ。大阪大学教授、ATRフェロー。社会で活動できる知能ロボット研究の世界的第一人者。これまでに、自身のコピーロボットである「ジェミノイド」ほか多数のロボットを開発している。
http://www.seinendan.org/jpn/info/index.html
http://www.is.sys.es.osaka-u.ac.jp/

あいちトリエンナーレ2010公式紹介より抜粋