志賀理江子 Lieko Shiga
- いまださめぬ
Head Underwater壁に沿って並べられた大小様々な写真の数々。
「瞬間」を感じさせる強い光により、人も風景もその命までもが、
闇から浮かび上がるかのように、そこに現れていた。
見ていると画面から手が伸びてきて、その世界に引き込まれるかのような感覚を覚える。
「現実」というイメージを越え、写真の持つ底知れない力を感じる作品。
(by ふう)フレームの無いごく薄い板状の写真が床に並べられ、「鑑賞」というには無造作な形で、イメージがこちらに忍び込んでくる。被写体との間に独特の距離があり、近くにいるのに遠くまるで彼岸から見たようだが、肉体的に死に近いというよりは、観念的に死に近づきがちな思春期の少女が見る光景のよう。
(by nnnnnao)写真ってあるままを写すだけじゃないんですね。狙って作りたいものを作り出すものとは、、
でも2年近くもその村に住むって発想がすごいですね。仲良くならなかったらこれらの作品はなかったんですね。この作品にとって費やした時間までもが作品だったのかもしれません。
(by ♪♪みらく♪♪)写真は、光の明暗によって風景を生み出すものだというのは基礎知識であるが、この作品は、生きる人の暗い部分と、明るい部分がそれぞれ共存し、それが理由も無くリアルだということを印画紙に焼き付けることであらわになっている。
(by omikun)写真の世界には、その技法を応用し心霊写真のような嘘を仕立てる分野も存在する。
作者・志賀の世界は後者の支援により、無味乾燥な現実を拒絶するかの如く
写真に虚飾の幻想を花咲かせるのである。
志賀による徹底的な被写体調査も後楯し、 作品には神秘性と
土着性を秘めた無言の物語が注ぎ込まれる。
(by Hirrani)
志賀理江子
あいちトリエンナーレ2010公式紹介より抜粋
Lieko Shiga
1980年愛知県生まれ、宮城県在住。2004年にロンドン芸術大学チェルシーカレッジを卒業。その後、ブリスベン、仙台、シンガポールで滞在制作を行う。徹底したリサーチを基に行う写真制作により、シリーズ作品を展開。 2008年に木村伊兵衛写真賞を、2009年 にICPのインフィニティアワード新人賞を受賞するなど、もっとも注目される若手写真家のひとりとして活躍中。写真集に「Lilly」(2008/アートビートパブリッシャーズ)、「CANARY」(2008/赤々舎)。
志賀理江子 | Lieko Shiga