ベン・ラッセル Ben Russell

  • 彼ら一人一人、たどり着くであろう場所に行かせなさい
    Let Each One Go Where He May

    南米なのかアフリカの国なのか、黒人の鉱山労働者をカメラが淡々と追いかける。恣意的な物語性は存在せず、男の行動を追うこと自体に意味を持つような映像だ。バスに乗った人々の表情は編集されずに流され続ける。心からの笑顔があったかと思えば直後に無表情となる一瞬、恣意的にものは見れなかった。
    (by 田中瑞穂)

ベン・ラッセ
Ben Russell
映像作家 1976年、アメリカ生まれ。シカゴ(アメリカ)を拠点とする映像作家。フィルム作品を中心に、写真やインスタレーション作品も制作する。彼の映像作品は、過去の映画作品を用い、編集・加工の操作を加えて、オリジナルの作品とまったく別の文脈や意味を構築する、ファンド・フッテージと呼ばれる手法によるものから、ドキュメンタリーの方法論に基づいた文化人類学的なアプローチのものまで、多様である。初めての長編『Let Each One Go Where He May』(2009年、彼ら一人一人、辿り着くであろう場所に行かせなさい)は、後者の方法論による作品で、2009年の「トロント国際映画祭」でプレミエ上映された後、「ロッテルダム国際映画祭」「アナーバー映画祭」等、多くの映画祭で上映され、話題となっている。
DIMESHOW

あいちトリエンナーレ2010公式紹介より抜粋